前回までのあらすじ
政権交代で助言者としてのメルバーン卿を失いたくないヴィクトリアは、トーリー党のウエリントン公爵やピールの女官交代の申し出を断固として拒否しました。
トーリー党はこのことで組閣不能となりました。これが寝室女官事件です。そして叔父のカンバーランド公爵らは、ヴィクトリアが狂気錯乱して摂政を立てる画策までしていました。
メルバーンは女王を守るために首相に返り咲きましたが、ヴィクトリアの自分への信頼と、政府の板挟みとなりました。
メルバーンは、ヴィクトリアの助言者としての限界を感じ、女王はそろそろ結婚するべきではないか、良き夫を得て助言者にするべきではと思い始めたのでありました。
メルバーンは、ヴィクトリアの助言者としての限界を感じ、女王はそろそろ結婚するべきではないか、良き夫を得て助言者にするべきではと思い始めたのでありました。
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ヴィクトリア女王 愛に生きる 第3話のあらすじ
ヴィクトリア女王の母ケント公妃の弟であるベルギー国王レオポルドが訪ねてきました。レオポルド叔父はジョージ4世の一人娘で継承者であったシャーロット王女(お産で亡くなった)の夫でもありました。
そしてヴィクトリアの従弟のアルバートの叔父にも当たるので、アルバートとの結婚話を進めようとしていると、ヴィクトリアはあまり気が進みません。
一方、父ヨーク公の弟で父方の叔父にあたるカンバーランド公爵は、ヴィクトリアの相手として、自身の甥である、弟のケンブリッジ公の息子ジョージ王子を勧めます。ロシアのアレクサンドル皇太子も加わり、ヴィクトリアのお婿さん選びは熾烈な争いになってきました。
しかしヴィクトリアは、メルバーン首相への想いが断ち切れません。オペラを見に行った帰りの馬車で、レオポルド叔父はアルバートと結婚して家庭を持つことの意義について、押しつけがましくお説教をします。
レオポルド叔父はまた、ヴィクトリアのメルバーン首相への想いに気が付いたようで、ヴィクトリアの父ケント公の記念碑除幕式で、メルバーン首相へ釘を刺すのでした。
一方、バッキンガム宮殿の使用人の間では、だれがヴィクトリアの婿になるのか賭けをしてる有様です。また、衣装係のジェンキンズの甥がチャーチスト運動に加わり、処刑されようとしていました。
知らせの手紙で落ち込むジェンキンス、スケリットが打ち明け話を聞いたことで、ヴィクトリアの耳に入り、チャーチスト運動の逮捕者はオーストラリアへ流刑となるのでした。
そしてアルバートと兄エルンストがコ―ブルクから到着しました。3年ぶりの再会です。
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ヴィクトリア女王 愛に生きる 第3話を見た感想
ヴィクトリア女王の叔父レオポルド国王は、史実では、ケント公の死後、姪とその母である姉を気遣い、頻繁に手紙のやり取りをしたり訪問したり経済的援助もして、彼女たちの後ろ盾になってきた方です。
この後も、ヴィクトリアとアルバートの良き相談相手としてふたりに信頼され慕われているのですが、このドラマでは、甥とヴィクトリアを自分の利益のために否が応でもくっつけようとする人にされています。
シャーロット王女がお産で亡くならなければ、自分がここに住んでいたなんて言うセリフさえありますが、このときはベルギー国王として、フランスのルイ・フィリップ国王の娘である王妃も同行していたので、そんなことが言えるとは思えないです。
また、ヴィクトリアも、ベルギーなんて10年前はなかった小国だなんて、大口をたたいていますが、実際にはバッキンガム宮殿には、レオポルド叔父との連絡係として、フォン・シュトックマー男爵がいて助言していたほど頼りにしていたのですよね。
実はヴィクトリア女王は日記を書いていて、結婚までのは残っているし、手紙などの資料も多数あるので、ドラマが描こうとすることと実際にかいあったことの違いが私にでもわかるのです。アルバート公らの登場も、実際はドラマとは違います。
それにドラマではヴィクトリア女王は、アルバートと結婚したくない、メルバーン首相への想いが捨てきれないという描き方で、領地にこもってしまったメルバーンを訪ねてお忍びで訪問して思いを打ち明けるようなシーンまであります。
が、実際のヴィクトリア女王は、アルバートが最良の結婚相手だと思ってはいるが、周囲がすべてその雰囲気なのが気に入らない、いわばツンデレ状態なのです。
会ったとたんに一目ぼれしちゃうほど、アルバートはイケメンだったのでした。
が、このドラマではそういうのを無視して、メルバーンとの恋愛話を勝手に作っているのかとちょっと残念です。メルバーン首相は若く見えるけれど、ヴィクトリアよりも40歳も年上でした。
また、アルバート達が来る前の仮装舞踏会で、ヴィクトリアはロシア皇太子やメルバーン卿と踊り、なんと、ジョン・コンロイとも踊っていたのはびっくりしました。
史実ではコンロイはケント公妃の愛人とされている人で、家令ですが、ヴィクトリアに嫌われて即位後は目通りはかなわず、言葉すらかけてもらわずにお給料はもらっていた、そして後にわかったことでしょうが、ケント公妃や王族のソフィア王女のお金の管理を任されていてかなり使い込みをしていたという話です。
前回も書きましたが、女王から話しかけるまで、絶対に話しかけてはいけないというのは、結婚前のアルバート公ですらそうであったようです。コンロイがヴィクトリアに話しかけるたびにすごい違和感を感じました。