ヴィクトリア女王 愛に生きるの見どころ
「ヴィクトリア女王 愛に生きる」は、19世紀のイギリスのヴィクトリア女王の若き頃を描いたドラマです。
ヴィクトリア女王以前のイギリス王室は、ジョージ4世のひとり娘で跡継ぎだったシャーロット王女が死産で亡くなり、王位が自分たちに回ってくるとわかったとたんに、40代50代の王弟たちは、相次いで長年の愛人たちと別れて、ばたばたと貴族女性と結婚したのでした。
ヴィクトリア女王の父ケント公もそうです。ケント公は、ヨーロッパ住みでしたが、生まれる子がイギリス国王になるというジプシーの予言で、馬車で走るようにして急いでイギリスへ帰り、ケント公妃はヴィクトリアを出産しました。そして彼女が生まれて8か月で、ケント公はあっさり亡くなってしまいました。
ベルギー国王(亡くなったシャーロット王女の夫でもあった)の姉で、ドイツの小国の公妃だったドイツ人のケント公妃は、その後、彼女の愛人といわれるケント公の友人ジョン・コンロイの助言のもと、ケンジントン宮殿で「ライバル」達から幼いヴィクトリア王女を守るようにして、同じ部屋に寝起きして育てたのでした。
ヴィクトリア王女は、すくすくと育ちましたが、父親不在でかなり不安定な地位ではありました。そういう背景があるので、メルバーン首相に父性を見出して頼るヴィクトリアの心情は理解できると思います。
晩年は背が低くかなり肥満体となり、横も縦も同じサイズとさえ言われたのですが、ヴィクトリア女王の若い頃のそれなりに美しい清楚な姿はとても新鮮味があります。女王の成長に期待しましょう。
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ヴィクトリア女王 愛に生きる 第1話のあらすじ
1837年6月20日、伯父であるウィリアム4世が亡くなった知らせを受けた、18歳のヴィクトリア女王の有名なシーンから始まります。アレクサンドリーナ・ヴィクトリアというのが彼女の本名です。
ロシア皇帝アレクサンドル1世が名付け親の一人で、その下に母親の名前を付けられたそうです。ドリーナと呼ばれていました。
階段を降りるときに手を差し出されて断る場面、メルバーン首相とのやりとり、母、ケント公夫人とジョン・コンロイを嫌って遠ざけようとするヴィクトリア女王のシーンなどは、日本で言えばまあ、織田信長が、若い頃にうつけ者と言われた変わり者だったとかと同じように、イギリスでは誰でも知っているようなことなんだと思います。
ヴィクトリアの母、ケント公妃は、ベルギー国王レオポルドの姉でもあるのですが、ヴィクトリア王女が王位継承者であることを笠に着て、政治に口を出したり色々と出しゃばるので、イギリス王室の人から嫌われていました。
娘であるヴィクトリア女王も、即位後彼女を利用しようとするのが明らかなコンロイと母公妃の影響下から逃れようと必死です。戴冠式の模様も描かれます。戴冠式後、ペットのダッシュを洗ったのも実話に基づいてあります。
そして、有名な女官フローラ・ヘイスティングス事件がクローズアップされます。もうすでに新聞が発達していて、この事件やメルボーン首相との仲もゴシップネタとして取り上げられているのも驚くばかりです。
若き女王は、大人となって親離れして独り立ちするのと、女王に即位するのとが同時に来たと言ってもいいですが、色々な出来事が起こり、それに対処しつつ成長していくのだと思います。
また、ダウントンアビーの影響か、使用人たちの世界も描かれていて、ヴィクトリア女王が信頼する女性家庭教師、レーゼンの倹約エピも描かれます。ヴィクトリアには父の代からの多額の借金があったのでした。
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ヴィクトリア女王 愛に生きる 第1話を見た感想
このドラマで、ヴィクトリア女王の吹き替えに起用されたタレントさんの解説で、ヴィクトリア女王とまだ登場していないアルバート公の愛の物語の予告をしていました。
誰もが知っている歴史上の出来事ですが、ドラマのネタバレになることを映像付きで最初に言ってしまうのはどうかなと思いました。
アルバート公との結婚も、周囲の大反対を押し切ってという解説でしたが、初めて聞きました。
たしかに外国人を嫌うイギリス人は多いので、ドイツ人のアルバート公を嫌う一般人や貴族も多かったでしょうが、従弟であり母の兄の息子で、家柄的にも問題があったはずがないです。ヴィクトリア女王の周囲に表立ってそれほどの反対があったとは思えません。
ヴィクトリア女王は、11人の子女がそれぞれヨーロッパ中の王室と縁組して息子や孫達が国王や皇帝、皇后になったせいで、ヨーロッパの祖母と言われ、ヴィクトリア王朝という、植民地支配でイギリスが栄えた時代に君臨した女王でした。
現エリザベス女王の高祖母に当たり、夫君フィリップ殿下にとっても母方の高祖母に当たります。
誰もがふくよかでしかめ面で威厳のある晩年の写真を思い出す、ヴィクトリア女王の若い頃がどうだったのか、女王としての成長というドラマは、とても興味深いです。