ヴィクトリア女王

ヴィクトリア女王 愛に生きる 第2話のあらすじと感想

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前回までのあらすじ

伯父ウィリアム4世の死去を受けて、18歳で即位したヴィクトリア女王は、摂政就任を迫る母公妃とその愛人で家令のジョン・コンロイの影響から逃れるために、バッキンガム宮殿に引っ越しまでしました。

戴冠式、舞踏会など目まぐるしい女王としての生活が始まりましたが、コンロイを排除したいあまり、家庭教師レーゼン女男爵の話を真に受け、女官のフローラ・ヘイスティングスをコンロイと関係があり妊娠ではと決めつけた事件が民衆の怒りを買ってしまいました。

フローラはじつは肝臓がんで、その後亡くなりました。

若く孤独な女王ヴィクトリアの相談役はメルバーン首相です。彼のアドバイスなしでは何もできないと彼に傾倒するヴィクトリアでしたが・・・。

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ヴィクトリア女王 愛に生きる第2話のあらすじ

今回は、有名な寝室女官事件のエピソードです。

ウィッグ党のメルバーン首相は、ジャマイカ法案がぎりぎり議会を通過したので、そろそろ政権交代の時期で首相を辞任する意向をヴィクトリアに打ち明けます。が、それでは相談相手がいなくなるとヴィクトリアは悩みます。

メルバーンは、トーリー党のウエリントン公爵に組閣を命じるようヴィクトリアに提案しますが、ウエリントン公爵は高齢のために首相を辞退し、ピール氏が首相になることになります。

そのときの女王の4人の寝室女官たちは、全員、ウィッグ党員の妻でした。そのため、不偏不党がモットーの国王の側近としては、トーリー党員の妻に替わるべきなのですが、ヴィクトリアが承諾せず、ウエリントン公爵もピール氏も女王を説得できませんでした。

ヴィクトリアはメルバーンを相談相手として残すために、画策したのでした。

ヴィクトリアの父の弟である、叔父カンバーランド公爵は、自分の父ジョージ3世のように狂気に陥ればヴィクトリアに摂政を付けざるを得なくなると奸計を巡らせます。

なんとカンバーランド公爵はコンロイと手を組もうとまでするのです。

一方、バッキンガム宮殿の使用人たちのエリアでは、宮殿の家政を任されたヴィクトリアの家庭教師だったレーゼン女男爵が、ろうそくからガス灯に切り替えようとしていましたが、ネズミが大発生していました。このネズミが、ヴィクトリアのバースデーケーキから大量に出てきて、大騒ぎになります。

メルバーンは、女王の錯乱で摂政を置くというカンバーランド公爵らの策謀なども知り、ヴィクトリアを守ろうとして、首相に返り咲く決心をします。ヴィクトリアは相談相手を失わずに済んだのでした。

しかし、女王の相談相手と首相としての役目との板挟みに限界を感じて、女王の相談相手は、良き結婚相手を見つけて夫になってもらうべきと痛感するのでした。

ヴィクトリア女王 愛に生きる 第2話を見た感想

カンバーランド公爵は、ヴィクトリア女王の父ケント公の弟です。従僕を撲殺したとか、妹と近親相姦とか悪い噂がとても多い人です。

この人はトーリー党支持で、こともあろうに、父ジョージ3世と同じように、姪のヴィクトリア女王が狂気に陥ったとして、摂政を立てるように持って行くように策謀していました。

そんなことあったのかなと思わず本をひっくり返したほどです(確認できませんでしたが)。

ウエリントン公爵は、ナポレオンを破ったワーテルローの戦いの、あのウエリントン公爵です。こんなところに出てくるなんてと意外でしたが、ナポレオン戦争が終わってからは政治の世界で活躍されていたようです。

さすが戦争の英雄、なかなか重厚で存在感のある方でいらっしゃいます。

さて、現代の話ですが、当時のロンドン特派員だった日本人ジャーナリストが、バッキンガム宮殿に女王主催のお茶会に招かれた話を読んだことがあります。事前に出席者全員が、エリザベス女王に言葉を掛けられるまで、絶対に話しかけてはいけないと、きつく申し渡されたという話でした。

だいたいにおいて、大統領や王族、皇族のおでましのときには、出席者はそういう注意を受けるものだと思います。

「ベルサイユのばら」を知っている人ならば、ルイ15世の寵妾であったデュバリー夫人に声をかける、かけないで外交問題になったマリー・アントワネットの話もご存じでしょう。

あれは実話です。また、日本の園遊会でも、出席者は並んで立っていて、皇族方に声をかけるなどせず、あちらから声を掛けられるのをずっと待っていますよね。

なので、ヴィクトリア女王に対しても、メルバーン首相、アルバート王子ですら、女王が声をかけるまで黙って立っていなければいけないはずですが、女官も家庭教師も、嫌われていた(実際は出入り禁止であったはず)のコンロイまでもが、自分から気安く女王に声をかけるのはどういうことなのでしょうか。

そうしないと会話にならず、ストーリーが展開しないということなんでしょうが、歴史ファンとしてはむしろそういう一般とは違う世界にこそ力を入れて脚本を作ってほしいです。

それと、下の階の使用人エリアの話ですが、新入りの衣装係のスケリットにストーカーのようにまとわりつくシェフの話がどのように展開するのかわかりませんが、スケリットという人も実際にいたようです。

尚、寝室女官事件については、本物のヴィクトリア女王は後に、「あの時は自分も若かった、今なら別のことをしていたでしょう」と述懐していたということです。

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