前回までのあらすじ
前回はオールスターゲームに出場したジニーたちの話です。
また、GMのオスカーは、オールスターゲーム開催中に、オランダまで飛んで、キューバから亡命したリヴァン捕手を獲得しました。
腰も膝もボロボロの36歳のベテランのマイク捕手ですが、離婚で慰謝料をがっぽりとられたこともあって、あと数年はパドレスで現役を続けたいと思ったのに、突然のライバル登場で、おしりに火がついた状態となりました。
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ピッチ 第5話のあらすじ
メジャーリーグでは、9月末か10月初めでシーズンが終了します。そしてその後は、ワールド・シリーズ優勝をかけて、プレイオフが始まります。ポストシーズンとも言います。
ポストシーズンに出場出来るのは、アメリカン・リーグとナショナル・リーグそれぞれの東地区、中地区、西地区の優勝チームと、ワイルドカードと呼ばれる、それぞれの地区の2位のなかでいちばん勝率の高いチームと、その次点のチームです。
そういうわけで、レギュラーシーズンを勝ち抜くため、その後のポストシーズンでも勝ち上がるための選手補強が重要になります。ウエーバーにかけることなくトレードできる期限が、7月末と決まっています。
また、8月末までにそのチームに登録されていない選手は、ポストシーズンに出場できないという決まりもあるので、8月末までに補強はしておかなければならないのです。
今回は、この7月末のトレード期限に一喜一憂する選手たちがクローズアップされます。
新オーナーは、アル監督クビを撤回させた女性オーナー、マキシーンに一任された、いかにもITで成功したオタクっぽい若い男性がやってきました。現場のことは知らず、ゲーム感覚で選手のトレードや年棒合計を考えるような人で、トレードを成功させ、そして選手の給与分200万ドルをカットしろと言います。
GMのオスカーはまた悩みが増えました。チームは6連勝中で、GMは監督に、中継ぎ投手と打てる内野手、3塁手を揃えたらプレイオフに出られるかと聞き、選手をそろえると約束していました。
ジニーがトレードに出されることはありませんが、親友のサンダース外野手がもしかしてと思うと気が気ではありません。
ジニーは普段は話もしないのに、事情通のツイッター担当のエリオットにも情報を聞くほど、サンダース外野手のトレードの可能性を心配して、サンダース家で不安を共有して一緒に過ごしていました。
それを聞いたアメリアは、ジニーに自分の意見をGMに言えとアドバイスします。女優が映画などの共演者や製作について口出すのをさんざん見てきたから、と言います。
自分の価値を利用するのよ、サンダース夫妻は親友じゃないのと言う、野球界のことを知らない強気のアメリアです。
ジニーはGMの部屋へ行き、サンダースを出さないでくれと頼みますが、GMに余計なことは言うなと言われてしまいます。ただ、GMはジニーの言葉にヒントをもらって、まるでゲームのようなトレードの駆け引きを行って成功させました。
結局、サンダースのトレードはなくなり抱き合って喜ぶジニーとサンダースでした。チームには、新しいラテン系の内野手が入り、トレードされたはずの中継ぎのブッチ投手はまたトレードで返って来ましたが、トミー投手がカブスにトレードされていなくなりました。
一方、マイクの家から帰るときに、グルーピーに車のミラーを壊されたことから、アメリアはエリオットにマイクとの交際をうっかり話してしまいます。
そして、トレードのイライラで夫人に家を追い出されてマイクの家でビリヤードをしていたサンダース外野手にも、アメリアとマイクが付き合っていることがばれてしまいます。
サンダースは、他の人から聞く前にジニーにちゃんと話せとマイクにアドバイスします。アメリアは、ジニーにマイクと付き合っていることを打ち明けましたが、その直後、ジニーはマイクからの電話は無視してしまいました。
ピッチ第5話の感想
7月末のトレードに関係があるのは、優勝を狙うチームと、もう優勝は望めないチーム、そして今シーズンが終わるとフリーエージェントで放出が決定している選手が対象です。
即戦力の選手を補強したいチームと、今すぐでなくても将来性のある若手の選手がほしいチームです。
なので、とりあえずレギュラー選手はもらうが、見返りのマイナー選手数人は後で選んでねという、一方的な交換の約束だけの、player to be namedというトレードも普通にあるくらいです。
もちろん、このマイナー選手は、プロスペクトと呼ばれるスターの卵です。
数年後、トレード先のチームでデビューして中心選手となり、ああ、あのときのマイナー選手か、結果的に良いトレードだったなあと思い出すことになるのです。
このドラマのパドレスのGMは、ワイルドカードの可能性があるので、中継ぎと打てる内野手がほしいと言っていますが、理論的には、前年のオフシーズンのウィンターミーティングで、選手の入れ替えが済んで今シーズンのチームが作られています。
なので、今更チームを再構築するのではなく、優勝ラインにいるんだけど、けが人が出たので補強したい、その穴埋めが最優先のトレードなんですね。
このドラマでは、ジニーとマイク捕手とサンダース外野手と、ローテーションの一角のトミー投手くらいしか出て来ません。
エース投手も抑えのエースもどうなっているのか、チームの全容がつかめないですが、よほどのエース級投手を獲得するのでなければ、また、あまりに失点が多いとか勝てないとかで、トミー投手が全然使えないのでなければ、放出することはないです。
ジニーが使えるから出されたのかもしれませんが・・・。それにトレード禁止条項はないというものの、サンダース外野手は主軸のようだし、他の選手も全員がスマホに釘付けというほど、心配することはないでしょう。ちょっと大げさじゃないかと思いましたです。
例えば、今シーズンの7月末には、ダルビッシュ投手がLA・ドジャースにトレードされました。それは、ドジャースのエース、クレイトン・カーショーが故障したためです。ドジャースは首位を独走中ですが、優勝を意識してさらに、メッツからベテランのグランダーソン外野手も補強しました。
メジャーリーグではセイフティーリードというのがないのです。9月まで10ゲーム差で首位を独走していたのに、誰かが故障したせいで、ずるずると連敗して貯金もゲーム差もあっという間になくして転落するチーム、あれよあれよと連勝を続け、首位に迫ってついに逆転優勝するチーム、最後に並んで、ワンデイプレイオフで勝負が決まったりすることも珍しくありません。
何が起こるかわからないので、追い込みにはどうしても補強が必要なんですね。
テキサス・レンジャースは今シーズンは低迷して優勝は諦め、ダルビッシュ投手は6年契約の最終シーズンに当たるために、放出して若い選手を獲った方が得策だと思ったからでしょう。
ダルビッシュ投手は優勝を狙う複数のチームの壮絶な争奪戦になったはずで、なぜレンジャースはさっさとダルビッシュを出さないのかと見出しにもなっていました。
また8月末にもトレードの期限があります。ピッチのこの先のエピソードにも登場するはずです。
ウエーバー、ウエーバー公示については、ここをご参考になさってください。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E5%85%AC%E7%A4%BA
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